"考古学カフェ"で宮本学芸員が実演

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6月2日(土)、札幌駅地下歩行空間「チカホ」において"考古学カフェ2018"が開催されました(縄文のまち連絡会主催)。遺跡を有する道内の自治体がそれぞれのまちの見どころを持ち寄り、遺跡や考古学に関心をもってもらおうと始まったもので、今年で3回目。

考古学カフェ2018会場
会場のようす

この中の「旧石器人のナイフづくりをのぞいてみよう」という一角では、今年も当館の宮本雅通学芸員が石器づくりのデモンストレーションを務めました。
宮本学芸員はピリカ遺跡で出土する石器と同じ石材「頁岩(けつがん)」を用い、人頭大程度の原石から石刃(せきじん)と呼ばれる薄くて細長い石片を連続して打ち割る旧石器時代の代表的な技術を実演しました。石刃の両縁は非常に鋭いため、旧石器人はこれをナイフ代わりにして動物の皮や肉を切るのに使ったものと考えられています。


石器づくりデモンストレーション

実演する宮本学芸員。テレビ局の取材も

実演で制作した石刃(ナイフ)

大都市の駅だけにこの一日だけで1万人近くの人が立ち寄り、物珍しそうに実演を見学されました。
できたばかりの石刃で紙を切る体験をした人からは、その切れ味の良さに思わず「すごい!!」と大きな歓声が上がり、多くの人に旧石器人の技術の一端を知ってもらえたようです。
会場に用意した今金町観光案内やピリカ遺跡リーフレットは大半がなくなり、町のPRにもつながったようです。

実演で制作した石刃(ナイフ)

博物館で並んでいる石器がどのようにして作られたのか、その工程を見る機会はまずないことでしょう。また、作ったばかりの石ナイフを使うのも驚きの体験だったに違いありません。多くの人にとって、先人たちの知恵に触れ、遠い過去に思いを馳せる貴重なひとときとなったようです。